小説を書こうと思っているけど、一人称で書けば良いのか三人称で書けば良いのか分からないといったことで悩んでいませんか?
この記事では小説を書く上で一番重要な物語の視点について、一人称と三人称のどちらが良いのか?また、どのような違いがあるのか詳しく解説しています。
これを読めば自分の書きたいと思っている小説が、一人称が良いのか三人称が良いのかわかると思います。
一人称視点とは?
一人称視点は、話し手その人を示します。
物語の主人公を自分として、「私は、僕は、俺は」などを使って自分の感じたことや風景の描写を行っていきます。
必ずしも主人公だけにとらわれる必要はありません。主人公の親しい人物や恋人でも大丈夫です。有名な作品でいうとコナン・ドイルが書いた『シャーロック・ホームズ』が挙げられるでしょう。この作品では主人公のホームズではなく助手のワトソンの視点で物語を描写しています。
一人称のメリット
- 一人のキャラクターの視点に固定するので、心理描写が書きやすい
- 読者はそのキャラクターになりきれるので、没入感が得られる。
- 物語に引き込みやすい
一人称のデメリット
- 他のキャラクターの視点で物語を進められない。
- 固定したキャラクターが知らないことは書けない。
- 登場人物が多くなるような長編小説を書くには技量がいる
- 固定したキャラクターに魅力がないと読者に飽きられる可能性がある
一人称で書かれたオススメの本
- アガサ・クリスティ|「そして誰もいなくなった」
- 多和田葉子|「雲をつかむ話」
- 三島由紀夫|「仮面の告白」
- カズオ・イシグロ|「わたしを離さないで」
- 横光利一|「機械」
三人称視点とは?
三人称とは、物語に登場するキャラクター以外の目線で物語をすすめる方法です。
どんな場所も、どのキャラクターの心情も書けるので、神の視点とも呼ばれています。
「彼は、彼女は、太郎は、花子は」など、代名詞やキャラクターの名前を使用して、いろいろな行動を描写することが出来ます。
三人称のメリット
- 主人公周辺以外のキャラクターや場面もしっかり描写することができる
- 複雑なストリーでも、主人公、ヒロイン、敵キャラクターなど様々なキャラクターが関わり合いながら話をすすめることで話全体の魅力が上がる。
- 分かりやすく読者に伝えることができる。
三人称のデメリット
- 第三者視点で描くため心理描写が間接的な表現になる
- いろいろなキャラクターにスポットが当たるため、視点移動が難しい
- セリフを誰が言っているのか分からなくなることがある。また読者に分かりやすく伝えようと考えすぎてくどくなる。
複合視点
主人公だけ一人称にして他のキャラクターは三人称にする。
複合視点のメリット
- 主人公だけ視点を固定することで没入感を得られる。
- 三人称視点で描くので、主人公が知り得ない情報も描くことができる。
複合視点のデメリット
- 視点がコロコロ変わるので読者が混乱しやすい。
- 小説の作法では間違っている
- シーンによって使い分けるため、話の流れのを余儀なく変更することもある
まとめ
小説で使用する人称視点について、解説しました。
ちなみに筆者は複合視点で物語を書いています。
基本的にはできる限り視点は一種類に絞ったほうが読者が混乱を招くことが無いでしょう。
この記事を読んで自分の書きたい小説の人称視点の手助けになれれば幸いです。
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