google.com, pub-5997928619777692, DIRECT, f08c47fec0942fa0 不滅のティアラ【16.アルフレッドとの再開②】 | しろがねブログ

不滅のティアラ【16.アルフレッドとの再開②】

不滅のティアラ

16.アルフレッドとの再開②

 私は昼休みになるとすぐにアルフレッドの手を掴んで強引に校舎裏に連れてくると問いただした。

「なんであんなことしたんですか?」

「何か? 問題でもあるのか?」

「問題大有りです。私達は知り合ったばかりです。お互い好きでもないのにだめですよ」

「俺は好きだ」

「え?」

「聞こえなかったのか? 俺はティアラのことが好きだ。結婚もしたいと思っている」

「う……嘘です……」

「嘘じゃない。この気持は本物だ」

「そ……そんな……まだお互い知り合ったばかりなのに…………」

「ティアラは俺のことが嫌いなのか?」

 アルフレッドは私の手をにぎると悲しそうな顔でじっと目を見つめてきた。私は恥ずかしさでたまらず目をそらした。多分顔は耳まで真っ赤になっていただろう。

「そ……そんなこと……お……男の人に言われたことないので……わかりません……」

 私はそれだけ言うのが精一杯だった。

 アルフレッドはうつむいた私のあごを指でつまむと強引に持ち上げて自分の顔に近づけた。アルフレッドの真剣な眼差しを直視することができずにいるとアルフレッドは笑った。

「じゃ、好きになってもらえるまで一緒にいよう」

 そう言うとアルフレッドは私の腕を強引に掴むと引っ張ってあるき出した。

「ちょ……ちょっと……待って…………」

 私はアルフレッドの手を振りほどこうと抵抗したが、力が強くそのまま引っ張られていった。

 アルフレッドは私を食堂に連れて来た。食堂の扉を開けると多くの学生がランチタイムを楽しんでいたが、アルフレッドが入るとみんな驚いたのか会話が止まり、堂内はシーンと静まり返った。みんなの視線が一斉にこちらに注がれたなか、アルフレッドは気にすることもなくズカズカと歩き出した。

 この学園の食堂の中央には中二階があり、そこから食堂全体を見渡せる構造になっていた。中二階の入り口はいつも鎖で閉鎖されていたが、今日は鎖が取り払われて入り口に人が立っていた。

 アルフレッドは私の腕を掴んだまま中二階の入り口に近づきそのまま階段を上がって行った。階段の入り口に立っていた人もアルフレッドを見るとそのまま会釈だけして当たり前のようにアルフレッドを招き入れた。

 私は訳がわからないまま、中二階の階段を上がり食堂が見渡せるテラス席に座った。

「ここはどういったとこなの?」

「王族専用のテラス席だよ」

「王族専用?」

 私はびっくりして思わず声に出してしまった。そういえば周りの席を見ると一階の食堂の席と違って椅子やテーブルがアンティーク調でかなり高級感がある。

 私とアルフレッドがその豪華な席につくとすぐに執事のような人がお茶とお菓子を持ってきて私達の前に並べてくれた。

「あ……あのー、なんで私をここに連れて来たんですか?」

「もっと話をしてお互いを知るためだよ。ティアラに俺のことを好きになってもらうためだ」

「え? そ……そんな急に言われても…………」

「そうだ! ティアラ魔法は? 使えるようになったのか?」

「い……いえまだ……全然使えないです」

「そうか……よし! それじゃー俺が魔法を教えてやるよ」

「え?! 本当ですか?」

「ああ。もちろん、俺が必ず魔法を使えるようにしてやるよ」

「でも、アルフレッド様は色々と忙しい身でしょうから、私のようなもののために時間を使うのはもったいないですよ」

「アルフレッドでいいよ。婚約者なんだから様を使うの禁止!」

「い……いや。婚約した覚えはありませんし、誰も信じませんよ」

 私がそう言うと、アルフレッドは少し微笑んだかと思うといきなり立ち上がってテラス席の端に歩いて行った。端の手すりを掴むと身を乗り出した。そして下にいる学生たちに向かって大声で叫びだした。

「ここにいるみんなーーーー聞いてくれーーーー!!」

 アルフレッドの大声で食堂にいる全員がしゃべるのをやめて視線が中二階のアルフレッドに注がれた。

「アークガルドの次期王としてーーー!!!」

 そう言うとアルフレッドは私を指差して大声で叫んだ。

「我、アルフレッド=クリムゾン=アークガルドはここにいるティアラ=ルーデントと本日婚約したことを宣言する!!」

「あわわ………や……やめてくださいーー」 

 私は慌ててアルフレッドを止めようと近づくと私に気づいたアルフレッドはいきなり振り返り、私の肩を掴んで自分に引き寄せると私達は二度目のキスをした。

 私は咄嗟のことで何が起こったのかわからず放心状態だった。覚えているのはアルフレッドの柔らかい唇と食堂に居た多くの学生の歓喜の声だった。

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